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マユンキキ「SINRIT シンリッ — アイヌ女性のルーツを探る出発展」

Mayunkiki “SINRIT teoro wano ainu menoko sinrici an=hunara”

会期 2021年1月19日(火) – 1月30日(土)
休館日 1月24日(日)・25日(月)
時間 13:00 – 19:00
会場 CAI03 札幌市中央区南14条西6丁目6-3

アイヌ語の「シンリッ」とは、植物の根の他に祖先の意味を持つ、英語のrootに近い言葉です。
私はアイヌとして生まれ、それをきちんと認識していくにつれて、アイヌであるということ自体が非常に複雑な立場であるということを感じてきました。ウポポイ(民族共生象徴空間)の開館で今まで以上にアイヌへの注目が集まる中、多くの方のアイヌに対するイメージは、偏った情報や限られた時代の印象から生み出されてしまっていることを痛感しています。そしてそれは、今世界中で求められている「多様性」には遠く及ばない非常に難しい状況を生み出し、私を取り巻いているように感じています。
そこで、今回は現代日本に生きる私が育ってきた環境や家族、「シンリッ」を改めて探り、紹介したいと思います。
タイトルにある teoro wano aynu menoko sinrici a=hunaraというのは「アイヌ女性のルーツを探る出発展」をアイヌ語で表したものですが、直訳にはなっていません。現在使われている日本語をアイヌ語に当てはめる際には、その日本語の表す言葉の意味だけではなく、背景や成り立ちまでを踏まえて訳す必要に迫られることが多くあります。それはアイヌ語自体がすでに日常的には使われることが少なく、新しい言葉として作りださなくてはいけないことがあるからです。
このタイトルを直訳すると「ここからアイヌ女性のルーツを私たちが探す」になります。主語を省いても成立する日本語と違い、アイヌ語は必ず主語が必要になります。主語を、あえて「私が」探すのではなく、この展示を見ていただく方を含む形の「私たちが」にしています。

この展示にあたり、私に近しい人物に5つの質問をしました。

〇質問事項
1、名前、生年月日(年齢)、出身地、職業、私との関係性
2、私と出会う前までの話
3、私と出会った頃と現在の状況の変化
4、私との共通点、相違点
5、私の活動に対してどう感じているか、今後何を望むか

私の「シンリッ」を通じて、みなさんにとってのアイヌ像も考えていただく機会になれば嬉しいです。

マユンキキ

●プロフィール
マユンキキ Mayunkiki
アイヌの伝統歌を歌う「マレウレウ」のメンバー。マレウレウとして音楽分野だけでなく国内外のアートフェスティバルにパフォーマンス参加多数。マユンキキとしてアイヌ語講師、札幌国際芸術祭(SIAF)2017 バンドメンバー(企画チーム)、SIAF 2020ではアイヌ文化コーディネーターをつとめる。2018年よりアイヌの伝統的な文身「シヌイェ」の研究を行う。第22回シドニー・ビエンナーレ「NIRIN」に作家として参加。

主催:文化庁、公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会、札幌演劇シーズン実行委員会
共催:CAI現代芸術研究所・CAI 03
映像制作:松永芳朗
テキスト編集:浅原裕久
コーディネーション:細川麻沙美
デザイン:ワビサビ