会期 2025年7月5日(土) – 8月3日(日)
休館日 火曜・水曜
時間 13:00 – 19:00
会場 CAI03 札幌市中央区南14条西6丁目6-3
主催｜CAI現代芸術研究所/CAI03 企画 佐野由美子
— 見ること／見ないこと、知覚の限界、静けさの中にある感覚 —
水中に生きる魚が、もし目を閉じるとしたら──。それは、世界を“見る”ことを手放し、他の感覚で接続しようとする試みかもしれません。視覚の先にある「知覚の境界」、あるいは「意識の内側に広がる風景」を想像すること。私たちは日常的に見過ごしている声や気配、偶然と必然の間にあるような揺らぎをどのように感じ取れるのでしょうか。
本展では、風間天心、上遠野敏、祭太郎の3名が「見えないもの」「意識されない感覚」「意識する偶然」「沈黙の中の声」などをテーマに、知覚の境界や人間の意識の奥底を探るような作品を紹介します。
それは“見えないものを見る”という行為への問いであり、私たちが世界と向き合うまなざしを静かに問い直す試みでもあります。
— Seeing / Not Seeing, the Limits of Perception, and the Sensations Within Silence —
If a fish, living in water, were ever to close its eyes—what might that mean?Perhaps it would be an act of letting go of the world as seen, and instead, seeking connection through other senses.It invites us to imagine the thresholds of perception, or the landscapes that quietly unfold within the depths of consciousness.How do we notice the voices and presences we overlook in daily life?And how might we attune ourselves to the delicate tremors that ripple between coincidence and inevitability?
This exhibition features works by Kazama Tenshin, Katoono Satoshi, and Matsuritaro, each exploring themes such as “the unseen,” “unrecognized sensations,” “heightened chance,” and “voices within silence.”Together, their practices trace the edges of perception and delve into the inner workings of human awareness.It is a meditation on what it means to “see the unseen,” and a quiet invitation to reconsider how we gaze upon the world.
風間 天心 Tengshing KAZAMA
上遠野 敏 Satoshi KATONO
祭の妖精・祭 太郎 Matsuri TARO, the Festival Fairy
風間 天心 Tengshing KAZAMA
美術家、僧侶
1979年、北海道東川町生まれ。2006年、第９回岡本太郎現代芸術賞に入選。2008年、武蔵野美術大学油絵コース大学院を修了。2009年、大本山永平寺での修行を終え、2011年、武蔵野美術大学パリ賞によりパリ市「Cité Internationale des Arts」に滞在。2020年より、コロナ禍において「大仏造立プロジェクト」を実施。2024年、山口県「洞春寺」に６mの「令和の大仏」を造立。
明治の輸入概念〈 宗教 Religion /芸術Art 〉によって封じられた、日本古来の〈 信仰と表現の相互作用 〉を現代に蘇らせるため、国内外で活動を続けている。主な受賞歴、「第５回 札幌500m美術館賞」グランプリ。「Tokyo Midtown Award 2015」優秀賞。「第22回 岡本太郎現代芸術賞」岡本敏子賞。 現在、苫小牧市美術博物館中庭にて展覧会「Melty Buddha」を開催中。
http://www.tengshing-k.com
The Distance 2014/インスタレーション/可変（photo : Lukasz Gasiorowski）
上遠野 敏 Satoshi KATONO
美術家
1955年福島県生まれ、東京藝術大学大学院彫刻専攻修了。
札幌市立大学名誉教授、札幌芸術賞。
主な展覧会に「芸術の森美術館インスタレーション＃4上遠野敏」、「北日本の5人作家達」（ハンブルク総合芸術館カンプナーゲル）、「虚実皮膜」（札幌芸術の森美術館）、「札幌国際芸術祭2014」(500m美術館) 、「上遠野敏展 命と祈りの約束」（500m美術館）など。「札幌駅南口モニュメント」門柱、列柱、壁面彫刻の3部構成の監修・デザイン・制作も手掛ける。アートディレクターとして「札幌市生涯学習総合センター館内アート設置計画」、「Beautiful Japanese Heart Project平和の旗・札幌コンベンションセンター開館1周年事業」、「そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト」、「札幌国際芸術祭2017：札幌の三至宝、北海道の三至宝、円山公園の企画」など。
山乃神さまと八百万の神々が舞い降りる前庭 2020/繭の毛羽、竹ひご、紙、ベニヤ板、藁（紅櫻公園・開拓神社）
祭の妖精・祭 太郎 Matsuri TARO, the Festival Fairy
美術家、パフォーマー
1977年 北海道名寄市生まれ。1998年、路上で突然一人で受け身をとる身体パフォーマンスを始める。痛みを含めその様子を撮 影、周囲のリアクションを含めた映像作品をギャラリーや美術館などで発表、2002年、とかち国際現代アート展デメーテルに参加したことがきっかけで媒介者(祭の妖精)をコンセプトにした 祭太郎というキャラクターで表現を始める。RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZOの道沿いで応 援口上パフォーマンスは今年で21回目の参加。2010年より 鍼灸師の免許を取得。北海道鍼灸 専門学校臨床センター主任として5年勤務。2018年10月札幌市内に「はり・灸・ アトリエ 祭林堂(まつりんどう)」を新たにオープン。現在、治療家、美術作家、パフォーマン スなどの活動を行っている。はり・灸・アトリエ祭林堂 https://www.maturindo.com/
石と水 の か みさま 2024/アクリル絵具、金箔 / 222×315mm
7月12日（土）15:00~
祭太郎口上
アーティストトーク
