CAI

アパート ー5人の住人たちー

The Apartment - The Five Residents -

会期 2021年12月11日(土) – 12月28日(火)
休館日 日曜・月曜・祝日
時間 13:00 – 19:00
会場 CAI03 札幌市中央区南14条西6丁目6-3
主催 CAI現代芸術研究所/CAI03
企画 佐野由美子
助成 公益財団法人 小笠原敏晶記念財団
協力 さっぽろ天神山アートスタジオ

アーティスト 大橋鉄郎、葛西由香、吉川永祐、小林知世、松川 祐実

昨年12月、新たにCAI03は古いアパートビルの半地下にオープンしました。
この空間は元々6つの小部屋に分かれていて住居として使用していたところを天井、床を撤去し、新たに白壁を造作してギャラリー空間としています。
今回のこの企画はCAI03がオープンする少し前に、金沢のアートスペースである芸宿を訪れたことがきっかけとなっています。芸宿も金沢の閑静な住宅街に位置しており、古いアパートをギャラリーやレジデンスとし、アートを通じた交流の場として活用しています。
そこには地域に密着した芸宿の穏やかなアートのコミュニティがあり、CAI03と通じるものを感じました。
今回の企画では、金沢の芸宿から二人のアーティストを招き、加えて同年代の札幌と東京のアーティスト3人を交えて芸宿とCAI03の共通項である「アパート」をテーマに6つの小部屋で展開します。作家それぞれが社会の中で個人としての立場を探りながら制作する作品群が、住居という個人的な事柄と公共のアパートで展開されるさまを是非ご高覧ください。

大橋 鉄郎 Tetsuro Oohashi
1994年北海道札幌市生まれ。札幌大谷大学芸術学部美術学科メディアアーティストコース卒業。出来事や物事、知識や事件に対して表層を撫でるように見ているような現在のイメージの受け取り方に着目し作品を制作している。近年では、写真に写っている物を紙を用いて立体化する作品「3Dモデル」や、ピースをしている女性を描く「ピースシリーズ」を制作している。主な展覧会に「これが正解です(か?)」(網走市立美術館/網走)など。

HEZ13」2021/映像/2:17

 

葛西 由香 Yuka Kasai
1993年網走市出身。札幌大谷大学芸術学部卒業。 この世のあらゆるものには同等に魂が宿ると考えており、身の回りの物や日常風景にその気配を感じた瞬間を描き留めている。取りこぼしがちな些細な出来事の中に、「もののあはれ」や「侘び寂び」のような
古来の美意識を見出だし、すくい上げることをしている。主な展覧会に主な展覧会に「ART FAIR TOKYO 2021」東京国際フォーラム/2021、「《道産子追憶之巻》と日本画の名品 道立近代美術館コレクション選 道産子日本画家のニューフェイス 葛西由香の世界」北海道立函館美術館/2020など。

「湯冷」180 × 140 mm紙本彩色、水干絵具

 

吉川永祐 Eisuke Kikkawa
1997年島根県仁多郡奥出雲町生まれ。金沢美術工芸大学修士課程美術工芸研究科絵画専攻油画コース在籍中。神話や歴史などの社会的に語られる物語が現代社会を生きる自分自身の価値観にどのような影響を与えているのか、あらゆる物語の影響を受ける中でどのように生きるのかという問いについて制作を行っている。社会的な物語と個人的な問題意識を関連付け、行き来する方法を探っている。主な展覧会「あれを見た、それを聞いた。そして触れた。」ギャラリー門馬 ( 北海道 )、「ストレンジャーによろしく」 欧風菓子金沢小町 ( 石川 ) 等がある。

「辿れない地図」2021 写真.映像(4分57秒)

 

小林 知世 Chisei Kobayashi
札幌、東京を拠点に活動。生活の中で遭遇する微細な気配やサインを捉えること 、それ らの解釈の仕方に興味を持ち制作に取り組む。近年はペインティングやインスタレーシ ョンを用いた気配の記録/再現、路上の雑音や会話を解読できない文字のドローイングとしてグラフィカルに記録していく手法で作品制作を行う。主な展覧会2020 NEW JAPANESE PAINTING(ドイツ ハン ブルグ mikikosato gallery)、 暗闇で 手紙を読む(札幌 saloncojica)、 doughnut(仙台 Gallery TURNAROUND)など。2018アーティストインレジデンス End Of Summer (アメリカ オレゴン州ポートランド)

Untitled 2021 535x805mm cotton.gesso.oil.mica

 

松川祐実 Yumi Matsukawa
1996年 長崎県平戸市生まれ。金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科絵画専攻油画コース在籍中。住宅や民家にある植木や庭をモチーフに、人間の曖昧な意識と植物の関係について制作している。人間の暮らしの中でインテリアやオブジェ、またはペットとして多様に扱われる植物は、同時に生命があり人間の意図しない動きをする。植物と人間がお互いにどう影響を受けながら生きているのかという関係性そのものに興味を持っている。主に油彩、アクリル絵具を用い平面絵画を制作してきたが、近作ではリトグラフや孔版印刷などの版画技法を用い、植物の繁殖と美術の複製について研究・制作している。主な展覧会2020「金美・KANABI」ギャラリーTK2 (東京)、2021グループ展「ゆるやかな一瞬」 石川県(芸宿)

「ある家の路地」 キャンバス、アクリル絵具、180×140mm 2021年