CAI

EXHIBITION

アパートⅡ -3人の住人たち-

アパートⅡ -3人の住人たち-

Apartment II – Stories of Three Residents

会期 2025年9月27日(土) – 11月2日(日)
休館日 火曜・水曜
時間 13:00 – 19:00
会場 CAI03 札幌市中央区南14条西6丁目6-3
協力 さっぽろ天神山アートスタジオ

アーティスト

今村育子 Ikuko IMAMURA

川村 正寿 Sezyu KAWAMURA

張 小船 Boat ZHANG

 

2021年に開催した「アパート-5人の住人たち-」の第2弾となる展覧会です。2020年12月、コロナ禍のさなかに、約11年半拠点としていたCAI02から移転したCAI03は、昭和57年に建てられたアパートの一角にあります。半地下の空間をギャラリーとして活用し、現在は展覧会や企画を継続しています。

護国神社の裏手に位置するこのアパートは、閑静な住宅街の中にひっそりと佇み、季節の移ろいや人々の暮らしの気配が静かに感じられる場所です。アパートや集合住宅の歴史は、長屋と呼ばれた時代から高度成長期を経て、生活様式の変化とともに大きく変わってきました。かつては生活が隣り合い、時には共有されていた空間は、よりプライバシーを重視したものへと姿を変えてきました。

誰かが眠れない夜を過ごし、誰かが笑い、誰かが泣いているかもしれない。
私たちが暮らす「部屋」には、それぞれの生活と物語が常に息づいています。
そこには、外界との境界としての「内と外」があり、小さな世界の中に無数の感情と出来事が存在しています。

本展では、3人の“住人たち”が、CAI03にある6つの小部屋を使って、それぞれの物語を静かに紡いでいきます。

 

 

今村 育子Ikuko Imamura

2006年より、人と人、人と物などの「間(あいだ)」についての関心から、明るい部屋から暗い部屋へ滲みでる光、ドアの隙間から漏れる光など、相対する関係の間に発生する光のグラデーションをモチーフにインスタレーションなどを制作する。主な展覧会に「星の瞬間」(北海道立近代美術館・札幌・2025)、「RIMOKON」(Artothek,PLATFORM・ミュンヘン・2022)、「第7回札幌500m美術館賞 入選展」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館・札幌・2019)、「むこうの部屋」(CAI02・札幌・2018)、「家族の肖像」(本郷新記念札幌彫刻美術館・札幌・2017)、「ともにいること ともにあること」(北海道立近代美術館・札幌・2016)、「AKARI reflection|ひかりの連鎖」(モエレ沼公園・札幌・2016)、「札幌国際芸術祭2014」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館・札幌・2014)、「Living Art」(札幌芸術の森美術館・札幌・2011年)など。2011年より札幌駅前通まちづくり株式会社へ入社し、「シンクスクール」「PARC」「パラレルミュージアム」などの企画やデザインを担当する。https://www.imamuraikuko.com

出産ビフォー・アフター2024年
インスタレーション
素材:ハーフミラー、木材、壁紙、電球、鉛筆ほか
サイズ:W3300xH2700xD2700mm

 

川村正寿 Seiju KAWAMURA

2000年北海道富良野市生まれ。2022年札幌大谷大学大学芸術学部美術学科油画専攻を卒業。現在、札幌を拠点に活動。自分の身体と世界、絵画と鑑賞者の両義的な関係性に関心を持って制作を行う。近年は植物などの自然物の形や色、動きが自分の身体や感情のように感じるという客体の中に主体性を感受する体験をスケッチや写真、言葉による記録をもとに、油絵具を用いて絵画制作を行う。主な展覧会として「mima-no-me#VOL.8」(北海道立三岸好太郎美術館・2024-2025)、「A backaround」(ギャラリー門馬・2024)、「emerging artists 2023」(札幌大通地下ギャラリー500m美術館・2023)、「3331ART FAIR」(3331 Arts Chiyoda・2022)

右折
2023年
素材:キャンバス、油彩
サイズ:1620×1303mm
Photo 山岸靖司

 

張 小船 Boat ZHANG

1983年中国生まれ。ロンドン大学ゴールドスミス校を修了。現在、主に東京と上海を拠点として活動。ストレンジ・ユーモアをたずさえ、個人的な経験や感情を手がかりに、日常の表層に潜むかすかなゆらぎを追いかける。アンビバレントな感情や、わずかなズレ、ひそやかな不服従といった姿勢を通して作品は立ち上がっていく。彼女の作品は多くの場合、サイトスペシフィック/シチュエーションスペシフィックであり、現実の問題に対し、即興的かつオルタナティブな応答(失敗へ?)を試みるものである。制作ごとに「協議の場」として捉え、繊細な実践を展開している。「VOCA展2022」(上野の森美術館・東京・2022)、「第12回上海ビエンナーレ」(上海当代芸術博物館・2018)など中国、日本、イギリス、キューバで展示している。2021年松本力賞。作品は上海当代芸術博物館、Asia Art Archiveなどに収蔵されている。対馬や室蘭など、日本各地の地域アートプロジェクトにも参加している。

「日光浴療法:マンションに面す、山に面す: 屋上ビーチ(監視カメラの下で)」
2023年
インスタレーション、音声 loop
砂、IKEAパラソル、IKEAサンベッド、IKEAバッグ、IKEA人工観葉植物、ブルーシート、スピーカー

9/27(土)
アーティストトーク17時半〜

モデレーター 北海道立近代美術館学芸員 村山美波
アーティスト
今村育子 、川村 正寿 、張 小船